ウェブマガジン カムイミンタラ

2002年03月号/第109号  [ずいそう]    

「いい音楽」って何?
河原木 起生 (かわらぎ たつお ・ エフエム北海道編成制作部次長)

エフエムラジオ局という仕事柄、発売される前の音楽や新人ミュージシャンの楽曲を聞くのが仕事の一部となっている。いつも考えざるを得ないのは何を基準に良い悪いを判断するかということだ。

この場合の音楽というのはクラシックやジャズというジャンルではなく、まさにオリコン(業界誌)のチャートをにぎわすヒットねらいの楽曲ということで、「モーニング娘。」や「ミスターチルドレン」や「GLAY」や「浜崎あゆみ」などの音楽のことを指している。

一番簡単な判断基準は売れるかどうかである。あたるかどうか、最近ではブレイクするという言い方をよくするが、実際どんなに良い曲ですねと言われる楽曲を作っても売れなければこのご時世プロとして活動を続けていくことはできない。売れるということは多くの人たちに支持されることであり、その時代を顕わしていると言える。

ただ売れるかどうかということは、必ずしも楽曲の善し悪しだけではない。というのは音楽は作品であると同時に商品でもあり、商品はマーケティング的な広告戦略やタイアップなどのプロモーションがどのように行われるかが購買に大きな影響を与える。

例えばテレビのゴールデンタイムにコマーシャルが流れたり話題の連続ドラマの中で毎週使われたり、またはエフエムラジオで朝から晩まで何度もかかったり、それぞれがヒットを出すための手法としてはよく使われるわけだ。因みにエフエムで同じ曲を何度も紹介するのをヘビーローテーションといい、この結果ヒットするということもある。

レコード会社など音楽を売る立場からすると結果としてある程度売れなければビジネスとして成り立たない。ただ売れることだけを判断基準にすると判断を誤ることがある。売れることは目的の一つであるが、結果でもある。

音楽は心にとって必要なもので、直感としてすばらしいと思うもの、心に伝わるもの、自分が好きになれるものが結果として売れるというのが本当は一番幸せなんですよね。

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